企業が良くSOHO向けなんとかといった商品を開発し、発売します。
その場合のSOHOというのは、中小企業・個人事業者を想定しているのではないかと思われます。 企業が「法人」として相手するのは恐らく大手企業と呼ばれるある程度の規模である会社だからです。
今まではそのような企業を顧客にしておく方が(一度の受注額がとても高い、もしくは年間を通じての取引額がとても高いので)売上も利益もあがり、そのビジネスのやり方が一番効率的だったに違いありません。
しかしこの不景気な世の中となっては、さすがの大手企業も経費の削減を行いますし、また余分なことへの投資や物品の購入も自粛します。
となると今までのやり方ではビジネスが成立しない。新しい顧客を見つけなくてはならない。 今まではピラミッドで言う、上の層だけを相手にしてきたものを、市場を広げるために下の層に降りてこなくてはならない。
それで「SOHO」向け商品の開発・発売となるのです。
今までお客として意識していなかった「SOHO」にどういうニーズがあるのか。
その調査が綿密に行われたとは思えません。と、言いますか行えない(行いにくい)のが現実なのです。 なぜなら、誰もが「SOHO」についてきちんと語りきれないし、それゆえ実態もわかりづらいものだからです。 それに「SOHO」というのが果たして市場の中に認められるのか?という疑問も出てきます。
SOHOには情報通信ネットワークは必要不可欠です。そういった意味では、これらに関する商品には、SOHO市場があると言えるでしょう。 その他は?自分らしく豊かな生活を送ろうとするSOHOには、確固たるこだわりのある商品に購入意欲が沸くのではないでしょうか?その時々のブームに乗るのではなく、自分らしさを追求し、自分にぴったりくるものを捜し求める。例えて言うならば、デパートやスーパーではなく、専門店(セレクトショップ)や小売店。そんなところにSOHOが求める商品がある、そんなイメージはありませんか?
4つのハンデを克服できるSOHO
SOHOとして仕事をしている人たちは、実力主義(成果主義)の世界で生きています。逆に言えば、きちんと仕事ができるのであれば、その人の持つハンデや条件などは関係がありません。
※わたしがこの SOHO’s Club というサイトを立ち上げたのは、愛知県にある小さな町に住んでいた頃です(現在は京都市在住)。けれどもSOHOに関する取材の依頼をしてくる人たちは、決まって東京在住だと決め付けていました。SOHOなのですから、東京ではなくても十分やっていけるし、東京でないところで(地理的ハンデがあっても)SOHOしているからこそ説得力があるのでは?と当時は思っていました。驚く?ことに、SOHOビレッジを運営されている杉浦さんはカナダ在住です。
・年齢的なハンデ ・・・ 定年退職者や社会経験のない学生など
・時間的なハンデ ・・・ 主婦など
・身体的ハンデ ・・・ 身体障害者
・地理的ハンデ ・・・ 地方在住者
Small Office と Home Office
SOHOが、Small Office Home Office の頭文字をとって出来た造語であることをご存知の方はたくさんいらっしゃるかと思います。
Small Office を小規模事業体・中小企業とすれば、日本の企業はほとんどがSOになってしまいます。
また、Home Office を言葉の通りに、自宅をオフィスにして仕事をしている人とすれば、自宅兼店舗のお店で働いている人も、主婦の方が家事の間で仕事をされている場合も、またリモートワーカー(企業に勤めていながら自宅勤務している人)もHOになります。
このように仕事の形態のみを言葉にあてはめてSOHOをイメージすると、どこかずれがあることに気づきます。
ワタシに、ごほうび !!
日頃、仕事をがんばっている自分に、何かをプレゼントしようと考えたことはありませんか? 気分をリフレッシュするために、旅行に出かけるのもいいですよね。遠出はできないから、近場の日帰り旅行でもいいし、普段の出張では選択できないちょっとリッチなホテルに1泊するのもいいし。
けれど、もっともっと現実的な視点で考えたとき、わたしは仕事用のチェアをグレードアップすることにしました。本当は、ハーマンミラー社のアーロンチェアがほしかったのですが、高価だし、今のわたしにはまだまだ不釣合いな気がします。
※それにチェアだけ立派だと仕事場で浮いてしまいますからね。
なので、今のわたしに似合いそうなチェアを探してみました。
※今まで使っていたチェアが1万円くらいだったので、今度の予算は3~4万円くらいにすることにしました。
そこで見つけたのが、イトーキのトリノチェア(ローバック・ループ肘チェア)。
予算内だし、最近マイブームの黄色(コロニアルイエロー)の生地もあったので、これに決定。
※ちなみにシェルカラーはブラックです。
ただインターネットで即決・即買だったので、実物は見てもいないし、試し座りもしていないので、少々不安もあったのですが、届いて対面して座ってみてニッコリ。
これくらいの予算で、疲れないチェアを見つけられたのには大満足です。 今までのチェアだと長時間座っていると、おしりや腰が痛くなったのですが、そんなこともなくなりました。 さすがに前のチェアより3倍も高いだけあって、十分な価値があります。
以前、10万円くらいのチェアーに座って仕事をしていたこともありますが、わたしにはこのチェアの方が向いているようです。
このトリノチェアを使い古して、アーロンチェアに買い換える日を心待ちにしながらも、現時点では十分満足しています。
コミュニケーションと共通言語
わたしはお金を扱うプロではなく、ただの素人(おそらくこのページを読まれている皆さんと同じか、それ以下の知識しか持ち合わせていない、単なるひとりのSOHO)ですが、それでも最近マジメにお金のこと(堅く言えば、資産運用)について、勉強をはじめることにしました。
これらのきっかけを与えてくれたのは、やはりお金に関する本たちで、それは「イヌが教えるお金持ちになるための知恵」や「金持ち父さん貧乏父さんシリーズ」だったりします。 そして、実際に資産運用に向けてわたし自身を動かしてくれたのは、「ロバート・アレンの実践億万長者入門 ― 生涯続く無限の富を得る方法」でした。
これらの本を読んで、自分自身の無知を知り、またこれから得る必要のある多くの知識と彼ら(資産運用をきちんと行っている人たち)とまともに会話ができるだけの、共通言語を学ぶ必要があると思いました。そのために、多くの書籍を読み漁り、まずはいけるところまで独学でいってみようと考えました。
もしかしたら、世間には、そんなことは人に聞いた方が早くてラクだという人がいるかもしれません。でもこんな人間に対して彼らが自分達の貴重な時間を割いてくれるかどうかを考える必要があると思います。
お金を管理するプロ達は当然、時間をすごく大切にしている人達です。そんな彼らに、貴重な時間を割いてくれるようにと、こんな自分がどうして言えることができるでしょう?
以前、営業マンと対立して、なかなかうまく仕事を進めることができなかったわたしに、その頃大変御世話になっていたK氏がこういってくれました。
「営業マンとまともにやりあいたいのなら、彼らの使う共通言語をまずは身につけることだ。その共通言語とは、数字だ。」
そう、何事も相手とまともにコミュニケーションをとりたいと思うなら、まずは相手がどういった言葉を話すのか、彼らの共通言語は何なのかといったことを知らなくてはなりません。そしてもしその言語を知らない場合は、自らそれを学ぶ必要があります。
K氏の言葉は、今になって改めてわたしの心に染みてきます。
そしてわたしは、お金の世界に関する知識と共通言語を学び、それらを終了させてからが、本当のスタートだと考えています。
SOHO村計画
「過疎の村がこれから目指すべき方向はSOHO村だ」と断言するのは極端かもしれませんが、その可能性を感じていらっしゃる方は結構おられるのではないかと思います。
その中の一人がわたしなのですが、SOHOの中には結構、将来は田舎に引越ししたいという人が多いのです。
わたしはもともと怖がりなのと淋しがり屋なので、暗いところとか、人があんまりいないところは苦手なのですが、でも、田舎ぐらしは憧れます。
仕事で疲れたとき、「あ~もう、嫌だ~。なんでこんなことしてるんだろう?」と思い、「なんでこんなことをしてるんだろう?」から「生活するためだ」に思考が移り、そして「生活するためにはお金が必要だ」になり「お金がないと食物が買えない」になり「だからお金が必要なんだ」に戻り、でもふと思い付いて「だったら自分で食物を作ればいいんだ」に発想が移り、「やれないこともない」と思い、「だったらこんな町にいないで田舎に移り住んで自給自足の生活をしよう」と思い、インターネットで「過疎・募集」だとかをキーワードにして、「ここに何年住んでくれるのだったら、土地とか家とかあげちゃう」なんて都合のいい募集を探そうとするのです。
でも、今の生活からすると、インターネットにつなげるには電話線は命綱だし、どうせそこに定住するのなら、がんばって専用線を引きたいと思うし、それなら太目の線を引っ張ってきて、自分と同じような思いの人とシェアできればいいなと考えます。
でも、そういうところに住みたいと思ってこんな話に乗ってくれる人が結構いるとしても、今までのような仕事がなければ不安だという人は当たり前にいることだろうし、わたしもやはり自給自足の畑仕事だけで生活していくのは不安だし、となるので、情報通信ネットワーク (電話・FAXなども含む) だけで仕事が完結できるしくみを考えなくてはならないと思うのです。
今までのクライアントで信頼を得ているところとの仕事はどうにか続くかもしれません。ただ、新規開拓となると難しいかもしれません。SOHOとして働く場合はやはり家にじっとしているのではなく、なるべく外に出て動き回り、色んな人と知り合い、人脈や、ネットワークをつくることが大切だと思います。
だから、こんな若さ?で田舎に引っ込むというのはまだまだ力不足で、もっともっとがんばってからのご褒美くらいに考えた方がいいのかなと思ったりもします。
でも、どこかの過疎の村で、一世一代の村おこしとしてSOHO村にしたいとがんばろうと思われるところがあって、もし協力依頼が来たとしたら、わたしもその仲間に加わってがんばるかもしれないなと思ったりする今日このごろでもあります。
サイトスタート
ドメインを取得し、Homepageが出来上がりました。
次は、これからどのようにしてこのサイトを運営・発展させていくか?ということを考えなければなりません。
とりあえず「SOHO’s Club」というサイトがあるということをみんなに知ってもらわなくてはならないと思い、他のSOHOサイトに相互リンクのお願いメールを出すことにしました。(ほとんどのサイトが快く引き受けて下さり、それだけでも心強く感じました。)
次に会員集めです。
SOHOとしてやっていけるだけのレベルを持っている方のページを探し、会員登録お願いのメールを出しました。こちらの方も、突然の訳のわからないサイトからのお願いにもかかわらず、ほとんどの方が快く会員になっていただけました。
次に、FirstNewsというみなさんもご存知のメールマガジンにURLを紹介してもらいました。また特別にサポートをしていただくというお話から「SOHO’s Clubというサイトが会員募集をしていますよ」と宣伝していただきました。
FirstNews効果
いきなり会員登録が2.3日のうちに100名を突破したのです。FirstNewsさんありがとう。
このような経緯で、SOHO’s Clubというサイトはみなさんに知っていただけるようになり、会員数も月に100名くらいの勢いで伸びていきました。
また、そのころから少しづついろんな雑誌に掲載してもらうことになり、SOHOというキーワードになれば少しは名の知れたサイトになっていったのです。
ここで、SOHO’s Club の活動履歴を紹介します。
1.会員リンクを作りました。(今はわけあって公開してません)
2.交流の場を作るために、「コミュニケーションの場」というゲストブック形式の掲示板と、情報掲示板というページを作りました。
3.不定期発行の ■ SOHO’s Club News ■ というメールニュースを発行開始しました。
4.SOHO’s ClubメンバーだけのML(メーリングリスト)を開始しました。(現在参加者の募集はしていません。)
5.名古屋・京都・東京でオフ会(交流会)を実施しました。
今後、準備中や予定している活動内容は、会員限定ページを作ること。会員のサンプルギャラリーページを作ること。きちんと整理された会員データベースを作ること。などです。
基本的に、みなさんのSOHO活動のサポートにはご協力しますが、みなさんのお仕事の面倒をするといった大それたことはできません。
SOHOの上にSOHOを作らず。
SOHOの下にSOHOを作らず。
が 「SOHO’s Club」のモットーです。
設立のキッカケ
Homepageにも書いている( つもりなの )ですが、よくいろんな人から「SOHO’s Clubを立ち上げたキッカケは?」と質問されます。
キッカケというのは、そのまま「SOHO’s Club」の主旨につながるわけですからPageの方をよく読んでいただければ理解していただけると思うのですが、せっかくですのでもう少し噛み砕いて話をしたいと思います。
私は (も?) 現在、SOHOとして働いています。
最近は「SOHO」という言葉もだんだん浸透してきたようで、SOHOにいつかなりたいと思っている人、SOHOになるために仕事をやめる人が増えてきているようです。 私はまだ「SOHO」というのを知らないで今の勤務形態(当時はフリーと言っていた)になったので、気がついたら「SOHO」だったというわけです。
私のまわりにいる「SOHO」の人達も、「気がついたらSOHOだった」という人が多くて、決して意識して「SOHO」になったわけではないと言います。
当時 (といっても半年くらい前) はまだそんなに「SOHO」という言葉が世間に知れ渡っていなくて、これから新しいキーワードとして広がっていきそうというような雰囲気でした。 この雰囲気を嗅ぎ取った(笑)私は、このような仲間でネットワークを作ってみればおもしろいのではと考え、「SOHO’s Club」というサイトを立ち上げたわけです。 (構想には約1ヶ月近くかかりました)
1.自分で引き受けられない仕事を引き受けてくれる仲間が欲しい。
2.一人で仕事をしている時に突然おそってくる孤独感を解消したい。
3.仲間と様々な情報交換をしたい。
といったこれらの願いをSOHOのネットワーク作りで叶えていけないかと思いました。
企業が下請け目的でスタッフを募集しているところは数多く存在しましたが、登録しても登録確認の返事さえもかえってこないところが多く、これとはちょっと違うと思っていました。
仕事の斡旋目的をメインにおくと上下関係ができてしまうので、あくまでフラットな関係やネットワークを作ろうと考えたのです。
当時、そういった主旨のところはあまり見当たりませんでしたし、またきっとこのようなことを望む人は他にもたくさんいるだろうと・・・。
それを望んで待っていても仕方がないと思った時、私は自分自身でそういったサイトを立ち上げる決心をしたのです。
決心となると大袈裟のように聞こえますが、やはり今までお遊びで作っていたホームページと訳がちがいます。自己満足的になってはいけない、一方通行であってはいけない、簡単に止められない、継続しなくてはならない、アクセスしてくれる人に何らかのメリットを生まなければならない、アクセス増を目的としたサイト作りをしなければならないと課題はたくさんあったからです。
第三回 公開SOHO談義
第三回 シリコンバレーのSOHO事情
中村: | こんにちは、 SOHO’s Club の中村です。 |
尾形: | こんにちはSOHO’S WORLDの尾形です。 |
中村: | 第3回目になる今回は、ゲストの方をお呼びしております。 |
井手: | こんにちは、ムーンライトインタラクティブの井手です。 |
尾形: | 井手さんはシリコンバレ-からですね、ちょっと自己紹介していただけませんか? |
井手: | サンマテオというシリコンバレーの北の端(?)に位置する町からです。私は昨年まで某日本のソフト会社の現地法人の社長をしてましたが、今年自分の会社を立ちあげたところです。 |
中村: | たしか井手さんは、WebStudio(月刊誌)にコラムを連載されてますよね。 |
井手: | はい、7月号から。次のがもうすぐ出る筈です。 |
尾形: | 昨日買ってきた所です、WEBSTUDIO。読むのが楽しみです。 |
中村: | 毎号、シリコンバレーからのレポートなどを書かれる予定ですか? |
井手: | 当分の間、話題の会社とかテクノロジー、それと私の知り合いの面白い会社や人間を紹介する予定です。 |
中村: | シリコンバンレーといえば日本の私たちにとっては、憧れの環境ですね。そこでのお話を聞けるというのは、読者としても随分と夢を膨らまされて大変うれしいです。 |
尾形: | そちらでは同様に日本人で起業する方は結構いらっしゃるんですか? |
井手: | 日本人より、アジア人の方が多いでしょう。日本人はやはり駐在員が多いです。 |
尾形: | 井手さんはおいくつなんですか? |
井手: | 40まであと数ヶ月... |
中村: | すでに10年もアメリカにいらっしゃるということで、言葉の壁などはほとんどありませんよね。 |
井手: | 英語は割と好きでしたから、そんなには苦労しませんでしたけど、それでもこちらに来てまごついたことは最初はありました。 |
中村: | ところで、日本の会社を辞められて、シリコンバレーで独立されるのには、何か特別な目的等があったのですか? |
井手: | とにかく会社を辞めたのは、そろそろ色々やってきたことを生かして、自分のやりたいことをやる時期かな、と思ったことです。私の場合、やりたいことというのは、音楽とテクノロジーの融合なんです。(かっこよくいえば)それと、やっぱりインターネットの台頭かな。 |
中村: | 音楽とテクノロジーの融合っていうことを、もう少し詳しく教えてもらえませんか? |
井手: | えーと、今立上中のサイトで、インディーズ4ジャパン(http://www.indies4japan.com)というのがありまして、これはアメリカのインディーズレーベルのCDを日本向けに販売するオンラインショップです。 |
井手: | それと、アメリカでは音楽・コンテンツレーベルとしてCD、CD-ROM, 音楽ソフトとかを開発・販売していきます。 |
井手: | 第一弾のCDは、10月に私のギター(^^;)と、日本の川崎さんというシンセアーティスト。それと、Java関係の音楽ものをプロデュース中(これは日本で先行発売)というところです。 |
井手: | とにかく、音楽に関係のあることなら制作からプログラミングまで、色々やっていこうという感じです。 |
井手: | 独立のひとつの動機は、私は昔ミュージシャンだったのですが、40までに自分のCDを出そうという、結構安易なところからなんです。実は... |
井手: | それに、自宅でCDクオリティーの音楽がフルデジタルで作れるようになってますし。良い時代ですね。まったく。 |
尾形: | 聞いてみたいですね、井手サンたちの創った音。 |
中村: | そうですね。 |
井手: | もうちょっとしたら、リアルオーディオで聞けるようになります。 |
尾形: | たのしみですね。 |
井手: | インディーズ4ジャパンの方も、リアルオーディオとリキッドオーディオで試聴できます。 |
■ シリコンバレーのSOHO事情 | |
中村: | それでは、そちらでのSOHO事情をみなさんに教えていただきたいのですが。 |
井手: | 基本的にまず会社の作りやすさがあると思います。州によって違いますが、デラウェア州などでは、50ドルでも会社が出来るそうです。それを商売にしてる会社登録代行業とかもあります。 |
尾形: | 設立資金が安い事や設立資金や税率が低い事が一番大きなメリットですよね。 |
井手: | それと、やはり社会全体の雰囲気としてSOHOでもまったく関係ないみたいな。結局会社の大小ではなく、クレジット(信用)を積み重ねていけば制約はほどんどありません。 |
中村: | それが大きいのだと思います。 |
尾形: | 日本では企業との契約の際に商業登記簿謄本の提出が条件になっている所が結構あるので、SOHOでも法人化していない所は大きな仕事を取るのが難しいですよ。業界によっては問題ない所もあるようですが。 |
井手: | それに、株式会社の資本金は1000万でしたっけ? |
中村: | そうです。 |
井手: | こちらは、最低資本金というのはないと思います。もちろん、資金は必要ですが。 |
井手: | ただ、SOHOといっても2種類あって、SOHOで始めて将来の上場を目指している上昇志向のベンチャーと、SOHOでずっとやってるタイプとは大分違いますね。 |
尾形: | そうですね |
中村: | 日本では企業化志向SOHOと依存型SOHOにわかれているような気がします。 |
井手: | 依存型って? |
中村: | この談義でもよく話がでてくるのですが、仕事がくるのを待っているような人たちです。何かに所属していれば、在宅で仕事ができると思っている人たちです。 |
井手: | 在宅勤務者? |
中村: | 日本では、SOHOを在宅勤務者イコールで考えている人が多いのです。 |
井手: | 確か、ロスの大地震のあと、渋滞解消とかで自宅勤務が大分盛んになったとか。 |
井手: | 在宅勤務はこちらでも盛んになりつつありますが、それはリモートワーカーとか言います。 |
中村: | そうなんですか。 |
井手: | SOHOはあくまで、独立して会社またはDBA(Doing Business As)ででやっているところです。 |
尾形: | 日本はまだかなりアメリカと違う部分が多くて(社会環境やインフラの整備の遅れなど)SOHOでビジネスとして成り立っている所はすくないようですね。 |
井手: | アメリカには、S-Corporationという制度があります。 |
尾形: | それはどんな制度ですか? |
井手: | ちゃんとした会社なんですが、株主数に制限があったりしますが、その代わり個人と法人税を二重払いしなくて良いみたいな制度です。 |
中村: | 株主数に制限があるというと、あまり資本を増やせないということですか? |
尾形: | 増やしにくいって事でしょうね。 |
井手: | まぁ、ベンチャーキャピタル入れて公開する場合は、制限あり、というところですか。株主数は確か20人以内だったと思います。 でも、事実上公開する企業はごく一部だし、ある程度の規模までは、OKでしょう。 |
中村: | アメリカは店頭公開を目標にしている人が多いと聞きます。日本ではあまりその傾向は見られないような気がしますが。そういった場合に制限がかけられているということですね。 |
井手: | 確かにシリコンバレーでは、一旗あげようという会社ばかりです。NASDAQ公開が目標です。そうやって大金持になった人がまわりにごろごろいれば、その気になりますよね。 |
尾形: | そうですね。 |
井手: | 口の悪い人は、シリコンバレーバブルって言ってますけど。確かに景気は良いようです。 |
尾形: | そんな風に言われてみたいものです。資金調達は大きな問題ですよ。資金がないから大きくなれない、大きくなれないから資金がない。 悪循環のチェ-ンをどっかで切らなければ何も変わらないのですが動く程に障害にぶつかる。 若手のやる気のある人がつぶれていきますね、このままでは。 国や自治体の支援事業そのものがほとんどデキレ-スですしね。 |
中村: | そうですね。日本も色々と見習ってほしいところがたくさんあると思います。それではそろそろ第3回のSOHO談義を終わらせていただきたいと思います。井手さんどうもお忙しい中ありがとうございました。 |
尾形: | 井手さん、ありがとうございました。私や中村さんの10年後ってどうなってるんでしょうね。やる気のある方や能力のある方は日本にもたくさんいると思います。 そういった方が伸びていける環境がすこしはできていくといいなと思います。 井手さんのお話を伺って、税政問題だけでなく社会性や国民性もなにか大きな要因になっているような気がしましたね。 |
第二回 公開SOHO談義
第二回 SOHOネットワークの問題点
中村: | こんばんわ。SOHO’s Club の中村です。 |
尾形: | こんばんはSOHO’S WORLDの尾形です。今日は第2回目ですね |
中村: | そうですね。今日のテーマは「SOHOネットワークの問題点」について |
尾形: | はじめに私たちのネットワ-クについて簡単にどんな団体なのか説明しましょう。 まずは中村さんのほうからどうぞ |
中村: | SOHO’s Club ですが、基本的に会員の方は「SOHOである、SOHOに興味・関心がある」といった風にかなり間口を広くとっています。主旨としては、SOHOネットワークを作ることです。よく誤解されるのですが仕事の斡旋や紹介が目的ではありません。会員の方へのお仕事の依頼が今までよりももっと増えてくれば可能ではありますが、現状はなかなか難しいところです。 |
尾形: | 私はSOHOはプロフェッショナルだと考えます。だからSOHO’SWORLDのほうは初心者の方やぶら下がり的な方の入会はお断りしています。資金と時間があれば初心者の方の研修の場をつくりたいとも思いますが私自身SOHOでわずかな自己資金で運営していますから、どうしても即戦力になる人材重視になっています その代わり実際に仕事をSOHOのネットワ-クによってこなしています |
中村: | そういう意味で、SOHO’SWORLDは仕事主体な団体なわけですね。 SOHO’s Club とはまた違った主旨ですね。 |
尾形: | そうですね、基本的な理念は同じですが現在の所、どちらかというと実務中心になっています |
中村: | では、営業やプレゼンなどもなく、いきなり「仕事を下さい」って言ってくる人はいますか?(私のところはたまにいます) |
尾形: | おおいですよ |
中村: | そういった方に対する対応はどのようにされていますか? |
尾形: | 在宅勤務したいから仕事くださいというメ-ルが来ますね。申し訳ありませんが、趣旨を説明してお断りしています。 理解頂けたらあらためて登録してくださいとね |
中村: | そうですよね。SOHO=在宅勤務と必ずしもいかないのではないかと思います。 SOHOは家でじっと仕事をするだけではなく、自分から営業にでかけなくてはならないと思うのです。 |
尾形: | 登録していただいても仕事を出す事はできませんし、私自身が忙しく中村さんの所のように情報提供に時間をさけないため名前の登録だけで終わってしまうとかえって期待外れになっては皆さんに申し訳ないので。近頃SOHOのネットワ-クをつくる為のペ-ジをよく見かけますがいろいろ問題があるようですね。 |
中村: | そうですね。ただ、せっかく作るのだったら、私たちのようにつながっていければいいのではと思うのですが、主旨がずれると難しいと思います。 |
尾形: | ほんとですね。 SOHOの登録者からお金を集めている所では認識の違いによって揉め事が起きているという話も聞きますしね。 |
中村: | ボランティアでは限界があるのは確かです。もともと、私が SOHO’s Club をはじめたのは、自分が期待しているような団体がほとんどなかったので、自ら主宰者になって立ち上げようと思ったわけです。でも、やはり不満をもっている方もいらっしゃるようで、なかなか大変だというのが現状です。 ただ、会費制にしないのは、 |
中村: | (1)SOHOは会費を出すだけの余裕が(現状では)ない。 |
中村: | (2)会費制にすればそれだけ質の高いサービスを求められる。 |
中村: | (3)仕事の依頼を大部分のところで求められる。 |
中村: | といったことからです。(私が会費を出して会員になったら望むだろうと思うところからですが) 残念ながら現状では少額の会費でここまでのサービス提供をできる段階ではありませんし、またどこでもそうなのではないかと思います。 |
尾形: | SOHOのネットワ-クは必ずしも一つの巨大組織にならなくてもいいと思っています。SOHOのグル-プがいくつもできて何か大きな事をする場合に協力できる体制さえあればいのですからね。 |
中村: | そうですね。つながる(結合する)ことはあっても混ざり合ってはいけないと思います。 |
尾形: | プロジェクトによって”混ざる”ならいいと思うんですが、どこかがネットワ-クつくりを営利目的でする事には問題があると思います あくまでSOHO同士が仕事をしていくなかで利益を上げていく事が目的ですから運営している方がSOHOからお金を集めるようでは何か違うと思ってしまいます |
中村: | 会員(スタッフ)を募ってSOHOネットワークを作ろうとしている企業もありますが、一SOHOの私からみれば「便利な下請け」を集めているようにみえるので、SOHOの思いとつながらない部分がでてきてなかなか難しいのではないかと思います。やはり、SOHOの気持ちはSOHOにしかわからないと思います。現状では色々な問題があって傍目よりかなり大変な思いをしてるのではないかと思います。 |
尾形: | 私の場合は企業と同じだけの仕事をこなせる仲間がほしかったのがはじまりですね。会費を取って運営するところはサ-ビス内容をもっと明確にしなければ行けないような気がします |
中村: | SOHOはいい意味で「個々の確立」が必要だと思いますので、それぞれが自立していてネットワークを作るのが理想だと思います。どこかがそれを利用し営利目的で動くのはちょっと違うとは思いますね。 |
尾形: | そうですね。例えば通信回線の提供や情報提供などをしていくのに資金が要るのであれば内容を公開し、お互いが納得した上で会費を集めるなら問題ないのかもしれませんが、趣旨のあやふやな団体も存在していますしね、SOHOの方は結構混乱している所もあるのではないでしょうか |
中村: | ただ、SOHOの社会的地位が低いため、どこかに所属しているといった安心感や一体感がほしいのではと思います。 |
尾形: | その気持ちは良く分かります。ただ皆さんに理解していただきたいのは、運営しているものが会員の上の立場ではないという事です 運営している側もSOHOで立場的には横並びです 企業や営利目的の団体が運営している場合はまた話が別ですが。 |
中村: | そうですね。ただ主宰しているだけで立場は同じと考えてもらいたい。もちろん、情報等の提供はしますが、それを受けるばっかりでは上下関係ができるばっかりです。誰が上だとか下だとかではありません。SOHOは同じ位置にいるべき仲間です。 |
尾形: | そうですね。 |
中村: | でも、主宰者や運営者に対して、「指導者」的なものを求められているのが現状です。ネットワークを作るのはSOHOなら別に私たちでなくてもできるはずです。 |
尾形: | だから会員の方が仕事をとってきて”さあ、やりましょう”というというのが理想ですし、SOHO’SWORLDのほうはそんな風に動いています。これからはSOHO’S CLUBと合同でできる仕事も出てきそうですしね、いろいろと楽しみです。 |
中村: | そうですね。仕事をしていく上で作り上がる信頼関係みたいなのは、理想ですね。 実際に仕事をしていくには、「同業種」・「異業種」のSOHOネットワークが必要です。しかし、実際に自分たちでとってくる仕事は「同業種」の方の協力が必要な場合が多いですね。ですので、小さいネットワークでもいいからまずは仕事を手伝ってくれそうなSOHO仲間を「自分から探してみる」というのが大切だと思います。また最近では「営業を担当するSOHO」と「技術を担当するSOHO」といった風に(あくまで柔軟にですが)分担できるようになれれば良いネットワーク関係が築けるのではと思っています。 |
尾形: | 企業は個人との契約をしたがらないあるいはできない事情があって、SOHOの多くは孫受けてきな仕事をしている方が多く、なかなか単価の高い仕事が来ないという声を聞きます |
中村: | 直の仕事を請けられる可能性はかなり低いと思います。(とくにHOについては)ひどい場合には曾孫受け的な仕事になる場合だって可能性としてあります。そうすると、間のリベート等が重なり、かなり低い単価で仕事をしないといけなくなります。けれどもそのような仕事を請けないと生活が苦しいといったのが現状なので、まだまだSOHOは仕事を自ら選べない立場であるようです。 |
尾形: | 今の状況では、SOHOのワ-キンググル-プの中の誰かが法人組織をつくり、仕事の契約をしなければなりません。法人化には資金も必要ですがその部分を支援・援助してくれる所がそろそろ出てきてもいいんじゃないかななんて思います。 |
中村: | そうですね。私たちはそのような方面でもちょっと動いてたりしますが、状況としてはどういった感じでしょうね。 |
尾形: | ベンチャ-キャピタルなどはだめですね。本当のベンチャ-支援はしてくれません。もう成功しかかっている所にしか手を差し伸べませんから。 |
中村: | そうですか。残念ですね。SOHOに関する分野はベンチャー事業としてこれからのびると思うのですが。ただ、利益になりにくいといったところはあるでしょうね。 |
尾形: | いままでベンチャ-ブ-ムがなんどかありましたよね?なぜ日本にはベンチャ-企業が育たないと思いますか? |
中村: | 本当の意味でのエンジェルがいないからではないでしょうか? |
尾形: | そうなんです |
中村: | やはり、かなりの部分で見返りを求めている。企画をした人間の独自性をはじめの部分でしか正面に出させてもらえない。企画がおもしろいとあとは「こっちがやるよ」的な発想になりがちで、結局よい案であってもその特性を生かさせてもらえない。 もっと長い目や広い目、そして離れた位置から見守るような形でベンチャー企業を育てようといった姿勢を持ってもらいたいです。 |
尾形: | 資金提供をする以上、見返りを求めるのはしょうがないのですが、はじめから利益を出す事は不可能ですね 収支の見込みも、インタ-ネットを軸にしたものは過去のデ-タがないわけですから算出しにくいですし 現状からの予測の上でしか数字が出せませんから異業種の方がエンジェル候補として名乗りをあげてくださってもご理解いただけない事が多いですね こんな状況ですから、とりあえずは行政がエンジェル支援措置を取るようだといいと思います 例えばベンチャ-企業に対して投資には税制上の優遇措置を取るといったような事です |
中村: | 税制上の優遇措置に関しては知りませんが、そういう制度が増えてきてはいるそうです。ただ、日本は工業・製造業で育ってきた国だから、ソフト的な仕事だとなかなか認めてもらえないといったのが現状らしいです。 |
尾形: | そうですね。たとえば企業メセナ協議会のようなものがあればいいと思います。 芸術文化振興事業に対するメセナ活動への投資には優遇措置が設けられており結構活発に参加している大手企業が多いようです。 興味があればメセナで検索してホ-ムペ-ジを見るといいかもしれません |
中村: | 情報を検索するには、最近のWebの活躍はかなりのものになってきていますね。私も何かあったら「ディレクトリサービス」の検索を使うのですが、重宝してます。 |
尾形: | あとは自分達の問題ですね。いかに新しいものを作り出していくか、よいものを作り出していくかです。私たち自身も受け身ではなく提供できる価値のある物を生み出す力をつけていかなくてはなりませんね |
中村: | この SOHO談義はあるメールマガジンで紹介されたのですが、そういう意味で少しでも何かの役にたってくれればうれしいですね。また、SOHOは黙ってても情報は流れてこないので、積極的に情報収集をする必要がありますね。そういったところで、そのようなテクニックを必要としてきますし、情報の多少によっては仕事上での有利不利がでてくる場合もあると思います。 |
尾形: | 情報収集力は必要ですね それから価値のある情報だけを拾い出す事が重要になります。 これだけ情報があふれている中で必要なものだけを探し出すのは確かに難しいのですが不可能ではありません。 |
中村: | 情報収集のサービスは結構ありますが、それらを効率的に利用すれば結構なものになると思います。キーワードでクリッピングできるものなどだとさらに便利ですね。私はNIFTYSERVEのクリッピングサービスを利用しています。 あと、月刊誌ですが、「コンピュータダイジェスト」といった雑誌がありまして、これはコンピュータ関係の新聞の切り抜きが編集されて載っています。 |
尾形: | 一番大切な事はSOHO自身が何をしたいのか、何ができるのかということを個々にもっと考えてる事だと思います。そうすれば自分の欲しい情報は何か、有益な情報は何かということがはっきりしてくるでしょう 後半でエンジェルやSOHO支援について触れましたが、私も含めてですがまずは小さい自己資金でできる事をはじめて少しずつ実績を積み上げる事が大切だと思います。 時代はどんどん変わっていますし間もなくあらゆる面でボ-ダレスな世の中になっていくとSOHOは新卒者の選択肢の一つになる様な時もくるでしょう。 中村さんの提供している情報ももしかしたらそういった若い世代の方も見ているかもしれませんね。 |
中村: | こういったテクニックというか情報収集のTIPSのページとかをこれからはもっと多くみなさんに提供していければいいですね。ちょっと時間をさいてがんばってみようかと思います。 また、そのようなページを主宰されている方がありましたらリンクしますのでご連絡下さい。情報提供などのご協力があればとっても助かります。 では、今回の談義はそろそろ終了したいと思います。 |
尾形: | 最後に・・・。 どんな風に対談しているのかという問合せがありましたのでその回答ですが、前回も今回もネットミ-ティングというソフトをつかっての対談で、2時間ほどの対談を編集してHTMLにおこしています。 中村さんと私は遠距離で離れているためですが、この対談が成立している事はまさにネットワ-クの発達によるものです。 この2回目からは私たち2人が司会をしゲストを呼ぶという予定でしたが、前回の反響が大きく、もっといろんな話を聞きたいという要望が多かったため何回か私たち2人の対談を公開していく予定です。 お疲れ様でした。 |
中村: | お疲れ様でした。 |