今回は、コーチングで使われる「4つのタイプ分け」についてお話をしたいと思います。
4つのタイプ分けは、CSI(Communication Style Inventory)と呼ばれる手法により以下のように分類されます。
・コントローラータイプ
・プロモータータイプ
・サポータータイプ
・アナライザータイプ
では、簡単にひとつずつタイプについて説明していきましょう。
★ コントローラータイプ
▼ 特徴
行動的。決断力がある。支配的。人間関係(家族や友人)より仕事を優先させる。自分の思い通りに物事を進めることを望む。起業家タイプ。
コントローラータイプは、多大な評価や承認は受け付けません。
なぜなら、おだてて自分をうまく誘導するつもりなのでは?という風に考えたり、自分のことをバカにしているのか?という風に考える傾向があるからです。また、コントローラータイプを安易に褒めて評価すると、「自分の実力はまだまだこんなものじゃない」と思っているだけに、それらの評価を突っぱねてしまう場合があります。
★ プロモータータイプ
▼ 特徴
アイデアが豊富。エネルギッシュ。計画を立てるのは苦手。順応性が高く考えが柔軟である。楽しい雰囲気を好む。人に対して影響を与えたがる。
プロモータータイプは、コントローラータイプとは正反対で、おだてられると本当に木にも登る勢いでがんばります。4つのタイプの中で一番、承認と評価を求めていて、またそれらを素直に受け入れることができます。基本的に誰かに注目されたい思いが強いので、アピールが多く、聞き手がテンポよくあいづちを打つと、話はとめどなく続きます。ただしあまり考えなしに話をするので、話に脱線が多く、時にはコーチがある地点まで話を引き戻す必要があります。
★ サポータータイプ
▼ 特徴
温かく穏やか。人を援助することを好む。決断に時間がかかる。優れた直感力。感情や感覚に基づき判断する。人との調和を大切にする。役に立ちたがる。
サポータータイプは、とても穏やかです。
人との調和を大切にし、人の役に立つことを望みます。ただその気持ちが強いと、周りの人々に振り回されて本当に自分がしたいことを見失う恐れもあります。相手に気分よく話をさせるのが上手です。コーチに一番適しているタイプだと言えます。ただ、クライアントの立場となると、コーチにまで気を使うあまり、セッション自体はスムーズに進んでいるのに、成果が現れにくい場合も出てきます。コーチはそんなサポータータイプのニーズを引き出し、それらに集中できるようにコーチングをすることが望まれます。
★ アナライザータイプ
▼ 特徴
言動が慎重。計画を立てるのが好き。客観的に判断する。冷静で忍耐強い。感情や感覚より事実や知識を重視する。理解力や洞察力が高い。分析家。
アナライザータイプは、ひとつの答えを出すのに時間がかかる場合があります。なぜなら、質問に対して用意した答えが、適しているか、適していないか、正しいか、正しくないか、を十分検証してからでないと言葉にできないからです。コーチから質問する場合もより具体的に明確にしないと、答えは返ってきません。逆にその質問に対する質問が返ってくる場合もあります。プロモータータイプのように、その場の感覚で答えを口にすることはなく、答えを返すのにとても慎重です。
コーチはクライアントを上記の4つのタイプに分けてコーチングをすることにより、より効果の高いセッションを行うことができます。
4つのタイプだけで、人を区別することはできませんが、そのクライアントの傾向をつかむことは可能です。
また、コーチ自身も自分のタイプを知ることにより、クライアントとの違いを認識し、客観的なコーチングを行うことができます。
ちなみに中村は、コントローラータイプとサポータータイプに、ほぼ同じポイントがつきました。
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