サッカー日本代表、アジアカップ優勝おめでとうございます。
この大会は本当に苦しい試合が多く、個の力だけでは越えられない壁が多かったと思います。
そこで問われたのがチーム力だったのではないでしょうか?
ザッケローニ監督は、監督対個人との関係を築きつつ※、それをチームワークとしてつなげていったと感じました。
※練習前後に選手と「個別会談」するのが恒例だったそうです。
そこにザッケローニ監督のコーチング力を垣間見た気がしましたので、それらについて述べたいと思います。
ザッケローニ監督は常々、「大会を通じて成長させることができればいい」と語ってきました。
それは選手たち個の力(ポテンシャル)を引出し、チームとして機能させることだと思います。
個の力を引き出す。これはまさしくコーチングスキルです。
ニュースで伝えられてきた選手たちのコメントを読むと、ザッケローニ監督は常々選手たちに「わたしはあなた(の力)を信じている」といったメッセージを発信し続けていたのがわかります。
「自信を持たせてくれるので力になる」
李忠成選手
「練習中からすごくいいプレーをしているから気持ちを保ってやれとずっと言われていた。」
ザッケローニ監督が川島選手に
「ミスのないGKはいない。でも川島はミスの少ないGKだ。」
「私は数日前、彼に『信頼しているぞ』と伝えた。そして、今日も同じことを伝えた。」
「落ち着いてやれば問題ない。」
川島選手
「言葉だけじゃなく、振る舞いまでも信頼を感じる。GKは特別なポジションだと思うし、信頼に応えたい。」
遠藤選手
「自分たちのよさを引き出してくれる。」
また、「わたしはあなた(の力)を信じている」は言葉だけでなく、選手起用にもしっかり反映されています。
ゲカ人、レッドカード(退場)などもありましたが、ザッケローニ監督は選手23人中21人をピッチに送り出しています。
※出られなかった2人は、第三GKの権田選手。追加招集の森脇選手。
そして素晴らしかったのは、途中起用した選手たちの活躍。
カタール戦での伊野波選手、韓国戦での細貝選手、オーストラリア戦での李忠成選手がゴールを決めて日本代表の勝ちを引き寄せました。
途中起用された選手がベンチスタートでもモチベーションを高く保ち、途中出場でもチームの輪にとけこみ力を発揮できるような環境を作りあげていたことは本当に大きいと思います。
アジア杯で優勝したおかげで、コンフェデレーションズカップ(W杯のプレ大会)の出場権が得られ、また2015年アジアカップ、オーストラリア大会へのシード権も得られました。
これらは、日本代表のさらなる成長につながる恩恵だと思われます。
今まで無敗記録を続けているザッケローニ監督でも、いつかは厳しい結果がつきつけられるときも出てくるでしょう。
そんなときがきても、監督、選手、コーチなどのスタッフ陣たちとの揺るがない信頼関係でチーム団結し、2014年W杯ブラジル大会に突き進んでくれるだろうと思います。